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KOSUKE ARIYOSHI

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Kou Deli & Kitchen

お惣菜と台所Kou

創業50年の老舗仕出店が運営する、テイクアウトのお惣菜とシェアキッチン(和食文化に触れて・楽しめる料理教室やレンタルキッチン等を行う)を併設する店舗改修プロジェクト。コロナ禍において日々の暮らしや家族・地域との繋がりの大切さを再認識させられる中、最も身近なコミュニティである食卓を通し、その大切さを改めて伝えていく為の場【健康と暮らしを整える街の台所】を計画した。

敷地は、市街地の往来の多い交差点に面した鉄骨造2階建の1階。惣菜店という性質上、日常利用のし易さや気軽さが必要である点において非常に好立地と言えるが、その「交通量の多さ」や「道と店舗との距離の近さ」はブランディングの方向性である「高品質」「上品」「ゆとり」とは必ずしも一致せず、むしろ「喧噪」や「猥雑」といったネガの印象となる懸念があった。また、惣菜店と元来目的も使い方も全く異なるシェアキッチンとを、意匠や機能、空間構成に加え、法的、保健的、管理的な問題までも含めていかにシンプルに融合・共存させ得るかということを焦点に、思考を巡らせた。

我々は結論として【シークエンス】によりその解決を試みた。建物は一見シンプルな様相でありながら、人々が店舗を発見し、滞在、退店するまでの1つの物語=シークエンス(時間軸の伴う体験)が緻密に計算されており、その時間的スパンの最大化により前述したメリットを享受しつつも同時にデメリットを解決し得ると考えた。開口部やエントランスの位置やサイズ、仕上の選定や切替、空間や什器の寸法や配置、プログラムと動線の交錯等、それは実に地道で構築的な検討の積み重ねにより出来ている。

本計画は【シークエンス】により、異種プログラムの融合や、立地に孕む長所の活用と短所の補完、開口部の内外で生じる効果のシームレスな関係、気軽さと高級感の共存等、内在する多くの矛盾を軽やかに紡ごうとする試みである。

Detail

計画地

福岡県福岡市早良区

用途
総菜店兼シェアキッチン
種別
改修
構造
鉄骨造
規模
1階/2階建
竣工日
2021.5
竣工状況
竣工
ウェブサイト
https://osozai-kou.jp

Partner

クリエイティブディレクション
先崎哲進 | テツシンデザインhttp://tetusin.com
デザイン
久松徹・先崎哲進 | YATAI・テツシンデザインhttp://tetusin.com
シンボルマークデザイン
よつめ染布舎https://www.yotsume.co
ショップディレクション
高塚裕子
盆栽
島津拓哉https://shimazutakuya.com
施工
井上量太 | 井上建設
IH&レンジフード
冨田圭介 | Pronohttp://prono.co.jp
惣菜テーブル天板加工
峯公一郎 | 九銘協http://www.kyumeik.co.jp
写真
針金洋介|針金建築写真事務所http://hariphoto.net
写真(最後1枚)
東堂美由紀 | mithttps://toudoumit.myportfolio.com/mit

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