NOTEQUAL

KOSUKE ARIYOSHI

© NOTEQUAL ALL RIGHTS RESERVED.

TENSHOEN GREENPEACE FAMILY FUNERAL HALL

天翔苑グリーンピース家族葬ホール

改修や増減築といった建物の再解釈により新たな価値を見出す建築手段は、国内では既に主流と言える。しかし、検査済証の無いケースが非常に多く、実現を困難にしている。本件も例外ではなかったが、粘り強い協議の末に法事会館から葬祭場への増改築を実現させた。

本計画最大の骨子は、斎場という繊細な用途に対する閑静な住宅地への配慮と、近年コンパクト化の進む斎場の新しい在り方を、コストも踏まえたシンプルな構成と構造により解決しようとする点にある。

元来、斎場の本質的課題の1つは、非日常的かつプライベートなホールと日常的かつパブリックな住宅地との隔たりである。本計画では、ホールと住宅地との中間に、住民が自由に利用できるギャラリーや中庭、ガラス張りのエントランス等のセミパブリックスペースを挿入し、斎場に住民の介在余地をつくることで、物理的・心理的隔たりの解消を試みている。また、その増築部は、街への新たなファサードとして限界まで高さを抑えた平屋のボリュームや優しい外観とし、加えて花壇の設置や控え目で美しいサイン等、考え得る景観への配慮も行った。

本斎場は、近年主流の家族葬形式である。死者との最後の別れを親密に過ごすことができ、統計では増加傾向にある。実際に脚を運び最新の家族葬をリサーチしたが、斎場には、様々な心境の整理を一晩かけながら過ごす空間が求められるにも関わらず、居場所の選択肢が極端に少ない。一人になりたい時、二人や複数人で居る時、そしてその過ごす為の場を、暗く内向的、明るく開放的、風を感じる屋外、靴を脱ぐ居間という様に、各々が自由に選択できることが理想と考え、計画では、コンパクトな中に性格の異なる多様な居場所を準備した。

増築部の構造は、優しい空間性、コスト、確認申請上の理由で木造とし簡素な架構とした。中庭を設けてS造の既存棟とのEXP.J範囲を最小としつつ、構造壁を避けて成立する間取りを幾度も検討した。

今までデザインのメスが入りにくかった葬祭場という分野への、一石を投じる建築モデルになることを目指したプロジェクトである。

Detail

計画地

福岡県大牟田市

用途
葬斎場
種別
改修+増築
構造
鉄骨造+木造
規模
平屋
敷地面積
782.96m²
建築面積
189.18m²
延床面積
158.27m²
竣工日
2018.12
竣工状況
竣工

Partner

プロジェクトパートナー
有吉祐人 | spumonihttp://spumoni.tv
施工
重松誠・田中宏和 | 株式会社シゲマツ
サインデザイン
青野浩千加 | HAPOhttp://hapo.jp
ブラケットデザイン
青野浩千加 | HAPOhttp://hapo.jp
シーリングベース製作
ヤマウチマサヒロ | NINE PER ONEhttps://nineperone.co.jp
什器製作
牛島基博・三ヶ島豊史 | 牛島木工所http://ushimoku.org
ガーデニング
磯濱玄海 | グリーンピース磯浜http://www.isohama.jp
写真
針金洋介 | 針金建築写真事務所http://hariphoto.net

Other Project