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KOSUKE ARIYOSHI

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日日堂 竣工

2018.10.26 /



二年前に設計をさせて頂いた住宅の一角をお店に改修しました。改修といっても、新たに内扉とサインベースをデザインして取り付けるというシンプルな内容で工期は2日。無事に完了し、お施主さまにも喜んで頂けました。

扉はお店の顔になる部分。既存のデザインとはあえて揃えず、ここだけのデザインコードとバランスでデザインしています。最近はデザインをする上でルールを信じ過ぎないように気をつけています。ルールは単なる規律であって必ずしも人の心を豊かにするものではないと考えるからなのと、ルールに頼り過ぎたデザインはまとまり過ぎるというか、その先が無いというか、限界がある気がするからです。サインベースは、お施主様デザインの素敵なロゴマークのついた琺瑯製サインを邪魔しないように、受けとリブを兼ねただけの素朴なものとしています。扉の木や真鍮の引手が経年変化するように、サインベースの仕上にも時が経つ程に徐々に変化する風合いを楽しめる(しかも耐久性も向上する!)少し特殊な塗装を施してあります。

しっくいの白い壁とガルバリウム鋼板のこれまた白いシンプルなとんがり屋根に、扉とサインが良く映えました。オリジナルの博多みやげのお店と伺っています。来月17日がオープンとのことで今からとても楽しみです。

かみさまがすまう森のアート展

2018.10.23 /






佐賀県武雄市のシンボル、御船山の麓に約50万平方メートルにもおよぶ『御船山楽園』と呼ばれる庭園があります。その御船山楽園を舞台に、チームラボが仕掛ける体感型アート展に参加してきました。実はこの展示、昨年7月から開催されていてずっと気になってはいたものの、夜間展示ということもあってなかなかタイミングをみつけられずにいました。そうこうしているうちに開催からあっという間に1年以上が過ぎ、、、いよいよ最終月がせまってきたところで無理矢理スケジュールをつくって遂に決行。アートという体(てい)ではあったと思いますが、どちらかと言うと体験型アミューズメントとしてとても面白かったので少し記しておこうと思います。ちなみに会期は今月29日までですので興味のある方はお急ぎください。

作品は、映像を現実世界に投影するいわゆるプロジェクションマッピングの手法を用いたものですが、その規模と演出にとても驚かされました。時間で変化する作品や、こちらの動作に反応する映像作品、自分が描いたイラストが生き物となって歩き回る映像作品など、見て、参加して、子供だけではなく大人も楽しいコンテンツが目白押し。体験型が特にインパクトがありましたが、個人的には森の奥に突如あらわれる滝の作品がとても美しく印象的でした。おそらく敢えてなのかなと思いましたが、水の音を再現せず、白糸の様な水流をひたすら流す映像に、ある意味現実味の無さを感じて良かったです。

色々と映像の面白さを書きましたが、この企画の一番のポイントは、実は映像作品そのものというより御船山楽園という豊かな庭園を夜中にハイキングしながら見て回ることの非日常性と、苦労(楽して得られない体験に対する充足感)にあるような気がします。直島や豊島、犬島の徒歩や自転車で島を満喫しながら巡るアートイベントの手法に近い感覚ですね。もちろんこちらは一組の表現者による一連の作品としてプログラムされている点で、内容や体験は根本的にそれとは異なります。

無理をしてでも行ってよかったと思える内容で、とても良い刺激を頂きました。

福津の現場

2018.10.02 /


福岡県では、新築住宅の上棟後に構造の施工状況を確認する『中間検査』を受ける義務があります。先週無事に合格し、台風の影響で若干工期の乱れはありますが、年内竣工を目指して鋭意進行中です!

建物はシンプルな片流れ屋根で、まわりの建物と同じ2階建てですが1.5階建てくらいの控え目な大きさとなっています。ボリュームを控え目にすることで屋内に丁度良い居心地が生まれていますが、屋内と連続する2.2mの軒下と大きな吹抜け、2つのトップライトによって狭い感じはありません。設計や空間の質は予算や仕様だけで決まるものではなく、一番大切なことは工夫やアイデアだと常々感じています。手癖を嫌い、当たり前を疑い、建築することの目的を常に考えながら、一手間、一工夫を大切に1つ1つ仕上げていきたいと思います。言うは易し行うは難し、ですが、がんばります。