●北欧7日目(①〜②)/ Sweden
①移動 → ②グスタフスベリ図書館 → ③グスタフスベリ観光 → ④スルッセン
7日目。(6日目はこちら/旅初日はこちら)この日はリサ・ラーソンの工房があるグスタフスベリへと行きます。スルッセンからだとバスで乗り換えなしの40分程度で行けます。ちなみにバスやトラムにたくさん乗る場合は事前にSLアクセスカードを購入しているととても便利でオススメです。スイカみたいなカードですね。“474 Hemmesta”行きに乗ってショッピングモールのようなところで下車、アウトレットだと現金が要りそうな予感がして急遽ATMへ。さぁ準備万端です。
いざ焼物を!と思いあたりを見渡すと何やら気になるシリンダー状の建物が。近づいてみるとBIBLIOTEK(図書館)の文字。全くノーマークでしたが、シンプルですがなかなか秀逸な建築で、中に入るとまず最初に正円プラン中央の吹抜に出るように計画されています。吹抜はトップライトから降り注ぐ自然光でまるで外のような明るさ。その光に集まるように読書のできる居場所としてのホワイエが囲み、最外周部に書架や各室が配されています。このような求心性の強い正円プランは、太陽高度の低い北欧では珍しいデザインです。シンメトリーを好んだ建築家ではありませんが、幾何学の強い形態やトップライトやエントランス庇の意匠などは建築家・故黒川紀章さんを思わせます。帰国後に調べてわかったのですが、正式名称はヴェルムド市立図書館、1950年にOlof Thunström(オロフ・トゥンストレム)という建築家(当時54歳)によって市庁舎として建設されたものを1988年に図書館にコンバージョン(用途変更)したようです。元市庁舎だったと言われると求心的な造形も理解できます。トゥンストレムは、中〜晩年グスタフスベリで多く仕事をしており、グスタフスベリの近代化に貢献した建築家だったようです。名前を知られていなくても素晴らしい能力を持った建築家は世界中にたくさんいるんだよ、ということを多くの人にも知ってほしいですね。余談ですが、マルセル・ブロイヤーのチェスカチェアがロビーにさらりと置いてあって自宅にもほしくなりました。チェスカチェアはやっぱりアームレスが良いなぁと改めて思ったり。
予定外の図書館を見学したのち、少し歩くとグスタフスベリの陶磁器エリアに到着します。ちなみにアラビアやイッタラと同じく、グスタフスベリも産地名がそのままメーカー名となっています。日本で例えると唐津が産地だとすると「唐津社」といった具合ですね。グスタフスベリ陶器美術館やたまたま開催中だった企画展を見たり、イッタラのアウトレットなどを見学したのち、リサ・ラーソンの工房&ショップに行きました。リサ・ラーソンのものだけでなく、スティグ・リンドベリのすでに廃盤になってしまっている食器など掘り出し物がお手頃価格で販売しています。食器好きは是非訪れてほしい場所の一つです。興味のあるものをいろいろと見て回っているとあっと言う間に時間がたちます。お腹がすいてきました。旅も中盤、ほんの少しだけ日本食が恋しくなったのと好奇心からランチはお寿司を頂きました。繊細さはともかくとして食材が新鮮だったし恋しかったのもあってか想像以上に美味しかったです。でもやっぱり魚はサーモンなんですね笑
スルッセンに戻りアートブックショップを巡り帰路につきました。PAPER CUTというショップで目についたアートブックをゲット。持って帰るのが大変ですが、、旅先での本との出会いは楽しみの一つ。苦になりません。
明日はスウェーデン最終日。午前中にストックホルム中央駅やアスプルンドの代表作ストックホルム中央図書館を見て、フィンランドのヘルシンキ行フェリーに乗ります。次々回からはヘルシンキの美しい建築をたくさんご紹介しますのでお楽しみに。
続く