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書籍掲載のお知らせ

2023.01.17 /


年鑑日本の空間デザイン2023に<お惣菜と台所Kou>が掲載されています。書店等でお見かけしましたらぜひ手にとってご覧ください。

以下、公式サイトからの引用です。

創刊50周年―未来へつなぐ空間デザイン―
『年鑑日本の空間デザイン』は、過去1年間の優れた空間デザインを総覧できる書籍として1973年に創刊され、本書で創刊50周年の節目を迎えました。
今年度版はDSA(日本空間デザイン協会)とJCD(日本商環境デザイン協会)によるアワード「日本空間デザイン賞2022」の135作品と、 SDA (日本サインデザイン協会)による「第56回日本サインデザイン賞」の150作品で構成されています。

■公式ページ
http://www.rikuyosha.co.jp/products/detail4564/

TO SCANDINAVIA 7th day

2023.01.06 /

●北欧7日目(①〜②)/ Sweden

①移動 → ②グスタフスベリ図書館 → ③グスタフスベリ観光 → ④スルッセン

7日目。(6日目はこちら/旅初日はこちら)この日はリサ・ラーソンの工房があるグスタフスベリへと行きます。スルッセンからだとバスで乗り換えなしの40分程度で行けます。ちなみにバスやトラムにたくさん乗る場合は事前にSLアクセスカードを購入しているととても便利でオススメです。スイカみたいなカードですね。“474 Hemmesta”行きに乗ってショッピングモールのようなところで下車、アウトレットだと現金が要りそうな予感がして急遽ATMへ。さぁ準備万端です。




いざ焼物を!と思いあたりを見渡すと何やら気になるシリンダー状の建物が。近づいてみるとBIBLIOTEK(図書館)の文字。全くノーマークでしたが、シンプルですがなかなか秀逸な建築で、中に入るとまず最初に正円プラン中央の吹抜に出るように計画されています。吹抜はトップライトから降り注ぐ自然光でまるで外のような明るさ。その光に集まるように読書のできる居場所としてのホワイエが囲み、最外周部に書架や各室が配されています。このような求心性の強い正円プランは、太陽高度の低い北欧では珍しいデザインです。シンメトリーを好んだ建築家ではありませんが、幾何学の強い形態やトップライトやエントランス庇の意匠などは建築家・故黒川紀章さんを思わせます。帰国後に調べてわかったのですが、正式名称はヴェルムド市立図書館、1950年にOlof Thunström(オロフ・トゥンストレム)という建築家(当時54歳)によって市庁舎として建設されたものを1988年に図書館にコンバージョン(用途変更)したようです。元市庁舎だったと言われると求心的な造形も理解できます。トゥンストレムは、中〜晩年グスタフスベリで多く仕事をしており、グスタフスベリの近代化に貢献した建築家だったようです。名前を知られていなくても素晴らしい能力を持った建築家は世界中にたくさんいるんだよ、ということを多くの人にも知ってほしいですね。余談ですが、マルセル・ブロイヤーのチェスカチェアがロビーにさらりと置いてあって自宅にもほしくなりました。チェスカチェアはやっぱりアームレスが良いなぁと改めて思ったり。













予定外の図書館を見学したのち、少し歩くとグスタフスベリの陶磁器エリアに到着します。ちなみにアラビアやイッタラと同じく、グスタフスベリも産地名がそのままメーカー名となっています。日本で例えると唐津が産地だとすると「唐津社」といった具合ですね。グスタフスベリ陶器美術館やたまたま開催中だった企画展を見たり、イッタラのアウトレットなどを見学したのち、リサ・ラーソンの工房&ショップに行きました。リサ・ラーソンのものだけでなく、スティグ・リンドベリのすでに廃盤になってしまっている食器など掘り出し物がお手頃価格で販売しています。食器好きは是非訪れてほしい場所の一つです。興味のあるものをいろいろと見て回っているとあっと言う間に時間がたちます。お腹がすいてきました。旅も中盤、ほんの少しだけ日本食が恋しくなったのと好奇心からランチはお寿司を頂きました。繊細さはともかくとして食材が新鮮だったし恋しかったのもあってか想像以上に美味しかったです。でもやっぱり魚はサーモンなんですね笑











スルッセンに戻りアートブックショップを巡り帰路につきました。PAPER CUTというショップで目についたアートブックをゲット。持って帰るのが大変ですが、、旅先での本との出会いは楽しみの一つ。苦になりません。



明日はスウェーデン最終日。午前中にストックホルム中央駅やアスプルンドの代表作ストックホルム中央図書館を見て、フィンランドのヘルシンキ行フェリーに乗ります。次々回からはヘルシンキの美しい建築をたくさんご紹介しますのでお楽しみに。

続く

TO SCANDINAVIA 6th day Vol.3

2022.12.28 /

●北欧6日目(④〜⑥)/ Sweden

①朝食&移動 → ②スコーグスシュルコゴーデン → ③セント・マークス教会(外部) → ④セント・マークス教会(内部)→ ⑤Parlans → ⑥Kvarnen

6日目その3。(6日目その2はこちら/旅初日はこちら)いよいよレヴェレンツの代表作セント・マークス教会/1960の内部に潜入します。リズミカルなヴォールト天井と鉄骨の混構造で、素材は石、レンガを基調とし、存在を消したスチールとガラス、什器や照明の木と真鍮をポイントで使ったシンプルなものですが、アシンメトリーな構成と厳選された光によって情感ある空間となっています。当教会に限らず北欧の教会建築は、太陽高度が低いために横からの光を取り込むように祭壇の位置や建物の構成が計画されていることが多いです。トップライトで採光するのとは異なり、光の向きにプランが大きく影響を受けるため、ヨーロッパ建築によくあるシンメトリー(左右対称)な構成ではなく、必然的にアシンメトリー(左右非対称)な構成になるのでしょう。個人的な感想ですが、このように環境に呼応する建築は必然性があり美しいと思います。
















セント・マークス教会を見学したのち、セーデルマルムに戻ります。当時できたばかりのParlansという話題のキャラメルショップに寄り買物を済ませたのち、ディナーのため100年以上の歴史を持つという正統派老舗レストランのKvarnenへ。雰囲気のある店内とシンプルだけど美味しい料理に満ち足りました。






明日はグスタフスベリでリサ・ラーソンの工房”KERAMIK STUDION”を訪問します。

続く

TO SCANDINAVIA 6th day Vol.2

2022.12.28 /

●北欧6日目(③)/ Sweden

①朝食&移動 → ②スコーグスシュルコゴーデン → ③セント・マークス教会(外部) → ④セント・マークス教会(内部)→ ⑤Parlans → ⑥Kvarnen

6日目その2。(6日目その1はこちら/旅初日はこちら)日本では森の墓地の設計者と言えばグンナール・アスプルンドですが、知られざるもう一人の設計者シーグルト・レヴェレンツの代表作「セント・マークス教会」が、森の墓地からトラムで2駅のところにあります。大変に素晴らしい建築なので、もし森の墓地へ旅行を計画されている建築好きの方がいらっしゃいましたら是非行かれてみてください。森に佇む控えめな建ち方、重厚な壁厚と開口部の繊細なディテール、光の取り入れ方、雨水の処理の仕方、アシンメトリーで情感ある内外部、レンガの使い方と納め方、照明デザインなどとても見所の多い傑作です。もっと有名になっても良いと思いますが、良くも悪くもメディアの与える影響力を実感します。実際、日本でレヴェレンツを紹介した書籍はほとんど見かけません。しかし、良いものは良い。メディアは知識として有効ですが、最後はきちんと自分の目と肌で判断できることが大切ですね。




























次はお待ちかね、内部をご紹介していきます!

続く