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KOSUKE ARIYOSHI

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TO YUFUIN

2018.01.07 /








新年あけましておめでとうございます。
長い1年の新たなスタートということで、
初日から業務的なこともね、と思い立ち、
急遽研修旅行へと行ってきました。

昨年10月にオープンしたばかりの隈研吾氏の
最新作でもあるCOMICO ART MUSEUM、
そして、OPAMで開催中のイサムノグチ展を観てきました。

COMICO ART MUSEUMは、
由布院の風靡な風景に馴染む漆黒の焼杉の
落ち着いた外観と、神経の行き届いた納まり、
シンプルで大らかな内部、景色を切取る開口と、
隈氏らしい素晴らしい建築でした。
2室のみというシンプルなギャラリーは、
現代美術家の村上隆氏と杉本博司氏の
コレクションが鎮座し、
その2室がガラスと水盤を介して同時に見える
とてもユニークな展示方法となっています。
アプローチの構成や庇の納まりは、
根津美術館と同類の手法が見て取れますが、
保養所との境界を完全に塞がずに、
植栽と庭で同居させた点は秀逸です。
ちなみに、サインとグラフィックは
MUJIのディレクションで有名な原研哉さんです。
建物に馴染む、こちらも秀逸なデザインです。

その後、お昼を食べて
玉の湯とクリークスをさっと覗いてからOPAMに向かいました。
OPAMは、2014年に建築界のノーベル賞である
プリツカー賞の受賞で有名な坂茂氏です。
実はOPAMは今回初めての来訪。
建築は良い意味で素っ気なく、大らかで、
現代的な良さがありましたが、
街に開くという当初のコンセプトが実現されて
いるかと言われると、少し疑問が残りました。
空間を繋げるということが、
必ずしもガラス張りにすれば良い、
という問題ではないことがよくわかる例ではないでしょうか。
ただ、建築で至るところに使われている
木や竹、石材は、すべて地場産のものを
使用しており、1つの見所となっています。
また、復興支援やリサイクル可能な紙管を用いた
坂氏の一連の活動には個人的には非常にリスペクトしています。

イサムノグチ展は、展示自体はノーマルな印象でしたが、
初期から晩年の創作の軌跡がみれますので、
お好きな方にはおすすめです。
今月21日までのようですのでぜひ。

由布岳の雪化粧に出会えたのは幸運でした。
長くなりましたが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

呼子プロジェクト

2018.01.13 /




とあるご縁で頂いたご相談を受けに、
佐賀は唐津市呼子まで行ってきました。
3年後に何と100周年(!)を迎える
由緒ある建物の増改築の計画で、
そのような節目に立ち会えると思うと、
非常に光栄です。

お昼に到着し、色々とお話をして、
スタッフと2人で現場調査をしていると、
いつの間にか陽が傾きはじめてきました。
呼子大橋を望む美しい夕景が、
心深くに響きました。

目の前にニンジンは無い

2017.12.23 /

2017年もあと数夜となりました。
この時期は、特有の、なんとも言えない空気感が漂っています。
僕はそんな軽いようで重いようで、シャープなようで柔らかいような、
そんな矛盾が合わさったような12月の不思議な空気感が案外好きだったりします。
とは言え、街に行ったり、パーッと買物したり、飲んで騒いだりというよりも、
気分の音楽を流したり、もしくは無音の中、
ひとり仕事に打ち込むのが好きなのです。えぇ、暗いですね。笑
建築やデザインは、感覚だけでは中々難しく、
とにかく考えて考え抜くことがとても大切で、
そんな考え事には最高な時期だと思っています。

ウェブでご紹介できていない完成案件もいくつか溜まってきました。
それぞれが、個々特有のプロジェクトばかりで、
僕たちらしく、アウトプットに振れ幅があって
きっと楽しめるのではないかと思います。
来年以降、撮影でき次第またここでご紹介させて
頂きますのでどうぞお楽しみに。

現在進行中のプロジェクトも、
どれも想いに溢れ、面白いものになりそうです。
進行中のものは相変わらずチラのチラ見せになるかと思いますが、
不定期にご紹介していきますので
こちらもどうぞお楽しみに。

今年もあと少し、
みなさんのご健康をお祈り致します。
いわゆる「目の前のニンジン」は無いけれど、
万病に効くと言われるニンジンを食べて、
美味しく元気に乗り越えましょう。

団地改修の現場

2017.10.22 /




団地改修の現場が、もう一息です。
築34年/50㎡、住宅ローンの適用可能な
ぎりぎりの条件を満たした団地を舞台に、
最小限の住居をつくっています。

大きく、広く、立派な家も良いですが、
慎ましく、でも細部に至り希望や好みを反映した
衣服のような空間が手に入るのなら、
それも良いのではと思います。

最小限の住まい、というテーマは、
飽食の現代だからこそ、縮小の時代だからこそ、
今取組むべきテーマであると常々考えています。

もちろん、大きな家がだめというのではなく、
住まい手の多様な価値観への対応や、
家族間や近隣との距離感の問題、3世代居住、
シェアハウス、動物との同居、Airbnb、
現代の住まいを取巻くテーマは多岐に渡ります。
単にサイズといった1つの要素を持ち出して
良いとか悪いとかを判断するのは野暮で、
適切な住まい、適切な建築、適切な計画であるか
否か、即ち総合的なバランスの中で適切か否かを
判断してはじめて意味を持ちます。

僕たちは常にそのようなことを考えて
設計やデザインと向き合っています。
ですので、住まいや建築の計画をされる場合は、
できるだけ早い段階で身近なプロに
ご相談されると良いかと思います。

話が脱線してしまいましたが、
もうすぐ完成します。